悠眞の地獄極楽巡り
強深瀬橋しか目の前に現れん奴らの話をしよう。 強深瀬にも親切に今は橋が架けられておる。昔は船でしか渡れんかったが今は、橋も架かりスッカリ現代風じゃ。 この世と、あの世は言わば双子の世界じゃ。この世が変われば、あの世も変わる。 だからな、昔なが…
パタパタと走り回る観音様! まさに右往左往。 けっこう速い。 あっちの部屋から此方の部屋。 私の横もパタパタ行ったり来たり。 もう可笑しいんだね。 寝ずにお唱えし続け、既に70時間程の時間が経過している。 意識も朦朧。 夢かもしれない。 そうだ。 も…
誰かいるの? 眼を開けようが、瞑ろうが何も見えない。 意を決し怖いけれど、光明真言を唱える。 一斉に蜘蛛が近寄る。 その中で、一際輝いている場所に眼を凝らす。 観音様だ。 30センチ程の九谷焼の観音様の御像がある。 お土産で頂いたか、定かではないが…
光明真言は、檀家になっている寺院で以前、授かっていた。 慈救呪から光明真言に切り替えてみる。 ❮❮おん あぼきゃー べいろしゃのう まかぼだらー まに はんどま じんばら はらばりたや うん❯❯ 何十、何百と唱える。 うっすらと、眼を閉じた時と、開けた時…
浅水瀬橋を渡って、裁きを受けて、言い渡された宣告は、、、 ❮❮黑闇地獄❯❯ 宣告と同時に暗転し、辺りは暗闇と化す。 しかも自分の拍動が聴こえて来そうな程の、完全な静寂。 全ての世界から切り取られてしまったような、静寂の暗闇が広がる。 直ぐそこが壁な…
この後は橋を渡って少し地獄の勉強に行こうかと思う。 本当は行ったら行ったの一方通行、気の永くなるほどの永劫の時を地獄でグルグル過ごす。 今日は一日体験でーす。 強い因には強い果が生まれる。これまでの行いが果をもたらす訳ですね。 ここでみなさん…
脱衣婆さんと懸衣翁さんは、来る日も来る日も、コツコツと脱がせては、衣領樹にコソーリ服を届ける仕事をしておったんじゃよ。 しかしなぁ、最近は佛様とは、葬式の時に会う位の付き合いしかせん人間ばかりになってのぉ。 せっかく佛法を、見る、聞く、唱え…
最近浄土の話ばかりで【語られぬ地獄】である。 基本的にはフィクションです。 出典、参考資料は物語完結時に公開します。 実際に地獄が在るか、無いかはさておき、昔から語られる地獄の話には、実は裏側の話が存在しているのを、皆様はご存知だろうか? 今…