白蓮庵のブログ

群馬大好きおババ 七合目の行者悠眞 白蛇くぅチャン♪るぅチャン♪とのラブリーな生活や大自然との共生、お詣り報告やファンタジーワールドIF愉快な仲間たちとの修行体験記。ほぼ雑談。いや、ほぼ食べ物の話かも。

地獄話 5 ❮光明真言と罪業❯

光明真言は、檀家になっている寺院で以前、授かっていた。

 

慈救呪から光明真言に切り替えてみる。

 

 

 

❮❮おん あぼきゃー べいろしゃのう まかぼだらー まに はんどま じんばら はらばりたや うん❯❯

 

 

何十、何百と唱える。

 

うっすらと、眼を閉じた時と、開けた時の暗さが変わったような気がした。

 

何百が、何千に変わった頃、夜明けと言うより、夕暮れのような、薄茶色の世界が、うっすらと、見えてくる。

 

 

『あぁぁぁ』

 

うっすらとでも見える喜び。


心から有り難いと思える感謝の想い。

 

喜びに感激すると同時に、足元や首元で、何かが蠢く。

 

もぞもぞとした、ぞわぞわとした、何かが全身で蠢く。

 

登ってくるし、恐る恐る正体を確かめる。

 

 

 

蜘蛛だ。

 


おびただしい数の蜘蛛が、身体に張り付き一斉に大行進している。

 

辺りを見ると、物の蔭になっている処から、次ぎ次ぎへと蜘蛛が這い出してくる。

 

あまりの恐怖に、光明真言から、慈救呪に戻す。

 

これが罪科と言う事なのだろう。


黑闇地獄から抜け出す事が出来ないよう、何重にも張り巡らした刑罰が待ち構えていると言うことだと、咄嗟に思った。


また暗転し、何も見えない静寂の中で、一心に赦されることだけを念じた。


物事を短絡的にしか考えて来なかった己れを悔やみ、家族に向けてきた辛辣な言葉を後悔し、友人に向けた怒りを御詫びし、色々を騙した心に詫びる時間を過ごした。

 


私の言葉で苦しんだ友人のこと。


私の視線で傷ついた仲間のこと。


良かれと注意してくれた近所の人。


私に関わってくれたのに、何も聞き入れず、學ぶこともせず、ただただ、時間を浪費していた己れの未熟さを悔いた。


そのまま50時間程度の時間が過ぎて行った。
恐怖に半狂乱で唱える。


唱えたからと言って助かる見込みも無い。

 

どう助かる?

 

 

???

 

暗闇から抜ければ、そこには昆虫類の蠢く、まさに蟲毒壺のような世界が広がる。

 

もう、諦めて身を委ねてしまおうか?

 

いっそ、暗闇に溶け込んでしまえば楽かもしれない。

 

心の中で魔物が誘惑をする。

 

もう、疲れた。


眠りもせず、飲みもせず、食べもせず。

 

ただ、ただ、ひたすらに真言だけを唱える。

 

心を悲しみが支配する。


涙が止まらず流れ出す。

 

恐怖から、謝罪と感謝への気持ちへと一切合切が替わった。

 

 

 

その瞬間、大きな雷鳴が鳴り響く。

 

ゴロゴロズドンと鳴り響く。

 

 

何度も何度も鳴り響く。

 

不思議なことに、暗闇のまま。


雷鳴だけが鳴り響く。

 

 

光らないのだ。

 

雷鳴鳴る時は、光って、鳴るものだと思っていたが、ここでは光ることなく、雷鳴だけが、鳴り響くのだ。


すると、雷鳴と雷鳴の間に、男性とも女性とも聞き分けられない、微かな声が頭の中で響く。

 

 


『私を後ろに』

 


私を後ろに?
誰かいるの?
何を後ろにするの?

もう疑問しかない。

何?

 

 

 

、、、、、、


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