白蓮庵のブログ

群馬大好きおババ 七合目の行者悠眞 白蛇くぅチャン♪るぅチャン♪とのラブリーな生活や大自然との共生、お詣り報告やファンタジーワールドIF愉快な仲間たちとの修行体験記。ほぼ雑談。いや、ほぼ食べ物の話かも。

地獄話 6 ❮蟲吐く❯

誰かいるの?

眼を開けようが、瞑ろうが何も見えない。

 

意を決し怖いけれど、光明真言を唱える。

 

一斉に蜘蛛が近寄る。

 

その中で、一際輝いている場所に眼を凝らす。

 


観音様だ。


30センチ程の九谷焼の観音様の御像がある。

お土産で頂いたか、定かではないが、何処にでも、よく見かける九谷焼の観音様!

 

 

必死で駆け寄り、御像を持ち上げ、元の場所に戻る。


自分の後ろに観音様の御像を置く。

 

もう、後は必死で眼を瞑り、慈救呪を唱え続ける。

 

何百も何千も。


もう既に何万も充分に超えているだろう。


雷鳴鳴り響く中、可笑しな音が聴こえてくる。

 

 

【ヒューバシッ、ヒューンバシッ】


何の音だろう?

 


【ヒューバシッ、ヒューンバシッ】


雷鳴と共に妙な音が聴こえている。

 


恐る恐る眼を開ける。


暗闇じゃない。


見えている。


自宅の佛壇の前に私は座っている!

 

後ろから何度も何度も、ヒューバシッっとまだ聴こえてきてる。

 

恐々顔の角度を変えないように眼を凝らすと、後ろから、肩や耳元に、何かが飛んできては、引き返している。

 

引き返す度、バシッっと言う。

 


巻物だ!


観音様が持っている巻物を縦に、私に投げては、引き戻し、投げては、引き戻しているようだ。

 

その度に激痛の頭痛が楽になるのが、わかるようになってくる。

 

巻物が投げられる音がする度に、痛みが楽になって行く。

 


有り難いと一心に想いながら、唱え続ける。


涙が止まらない。

 

かなり頭痛は改善され、少し心に問いかける事が出来るようになってきた。


心の中で、男とも女とも判別つかない声が語りかける。

 

 


『紙を敷きなさい』

 

 

声に従い、手近にあった半紙を数枚重ね、目の前、半畳に広げた。

 

その瞬間に突然のおう吐。

 

鼻水のような、痰の塊のような、黄緑色の膿のような液体を大量に吐き戻したのだ。

 

何度も何度も、何処から出てくるのか、わからない程、大量の具合の悪そうな黄緑色の鼻水のような液体、、、

 


中に黒茶色の蟻?

 


眼を凝らしてその中に在る、黒いような茶色の粒を善く見ると、蟻のような姿をしている。

 

何匹も死んでいるようで、ピクリとも動かない。

 

その間も、ずーっと、巻物は投げられ続け、どんどん視界は明るくなり、頭痛も減り、頭の中のミシミシする音も消えた。

 


半紙の上には黄緑色のスライム状の液体に赤茶色の3~4ミリの蟻のようなモノが50匹位、死んでいるようだ。

 

その蟲を眺めながら、お唱えを続ける。

 

すると、、、




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