昔はちょっとした事でも怒ったり憤りを表在化したりすることがあった。
あった。と言うより、そうする、そうしてしまうことが普通だと思っていた。
歳を重ねて経験値が上がったからなのか、佛様との生活が馴染んできたからなのか、最近自分が怒れなくなってきた理由について考えてみた。
例えば昨日のカレー屋さんでの一幕。
運ばれてきたピクルスに、短いヨレっとした毛が乗ってきた。
まぁ、普通に日本人が作っている店なら、どこから見ても❮チ○毛❯にしか見えないその毛を見てイライラするかもしれなかったけど、何せインドやその周辺地域の方々が作ってるから❮腕毛❯や❮胸毛❯かもしれない。と思いウエーターさんに下げてもらうようお伝えした。
で、そのうちに、お水を足しに来てくれていたウエートレスさんがいるまに、俗称【お客様】と呼ばれる黒い【アイツ】が出てきた。ウエートレスさんからは届かなそうなテーブル奥で、若いウエートレスさんは固まって動けないでいる。
私は『アルコール貸して』とウエートレスさんの持っていたテーブル拭き用のアルコールを借りて【黒いアイツ】に一吹き。
酔っぱらったゴキげんの良かったブリっとした【アイツ】はフラフラとして、紙で小僧さんが捕まえた。
はずだった。
はずだったけど、心優しい小僧さんは握りつぶす事が出来なかったみたいで、手の甲へと這い上がられてる。
ウエートレスさん、あなたが近くにいるのよ。動きなさい。
他のお客様に❮黒いお客様❯を見られる前に!
固まって動けないウエートレスさんに『そのダスター使って』と言ったら我に返ったように職務を思い出したようでした。
その後にウエーターさんが『掃除が行き届いておりませんで申し訳ありません』とご挨拶にきて言われましたが、私は見ぬもの清しなだけで、どこでも裏方なんてみんなこんなものでしょ、と思い、『どこでもあることです、気にしないでください』とお伝えしました。
インドやその周辺地域では、屋外で調理することもあり、虫の数匹でびびっていたり、目くじら立てていては生きて行けないでしょう。
たぶんそういう事も考えず、ただ単に美味しくて贅沢な時間を過ごす為に入店し、注文したから護法さんからのプレゼントだったんだね。
もともと佛典はインドや、その周辺地域から頂いた。
日本みたいに水の使えるような場所じゃないんだから、虫でも毛でも気にしてちゃーならないね。
暑いとこなんだから汗とかいろんな成分だって入ってるんだと思う。
そう、日本に生まれただけで、充分に清らかで快適な生活の中で佛様を身近に感じられる余裕がある。
他の地域だったなら、生命の危機を感じながらだとか、明日の食料を心配しながら佛様に親しまなければならない。
こんなにありがたい事を再認識させてもらえた私達親子は幸せですね。
帰り道車に乗ってから、小僧さんの一言。
『誕生日にゴキに手這われた~』
私からの一言。
『忘れられない誕生日になったね、誕生日は母親が命懸けで戦った日なんだから、感謝しろ、敬え、肩揉みくらいしろ』
( ^-^)ノ∠※。.:*:・'°☆ ► ヾ(*´Д`*)ノ