『ゆかしの森にはまだ来れん』
そう声が聞こえたと思ったら、白い紙に天狗さんみたいな絵が書いてあって、それがご本尊になってる護摩壇が見える。
だれもいない。
質素と言えば質素。
あまり飾り気が無いと言えるし、色が少ない。
護摩の煤けた感じで、辺りはとても黒い。
壁も古めかしい板張りのむき出し。
よく時代劇で悪い侍がたむろってそうな、お堂の中みたいな雰囲気です。
それか、ちょっと変わった雲水さんが居着いて、困った時だけ大根だか、里芋持ってたずねていくと、あやしい包み紙にくるまった黒焦げのイモリが何かを渡され、その病が奇跡的に治る評判だけど、怖くてみんな、よほどの時じゃないと近寄れない、こじんまりしたお堂の中みたいな雰囲気でした。
よく焚かれた護摩壇なのだろうね。
それで、おしまい。
なんか伝言ある人が来てるみたいだけど、私には、わからないや。
あぁ、私は何を伝えなきゃいけないのだろうね。
❮ゆかしの森❯を、検索してみたら、ちゃんと意味は通じるんだね。
本当にこういう言葉があるのに驚いた。