先日不思議なご縁から伺うようになった境稲荷様。
こぢんまりした処で、うっかりすると通りすぎてしまう。
その昔、とてもすごい行を満行された願海様というお坊さんが居たそうで、そのお坊様がこの境稲荷様に奉納された手水石が境内にある。
前回伺った時から、中に落ち葉やヘドロが溜まっており、とても気になっていた。
『あの手水石を掃除しよう。家の掃除もままならないけど(掃除は苦手)』と思っていた。
掃除に行こうとする度、仕事や急用が入る。
しかも、嬉しい悲鳴の予定が入り、掃除に行く事が流れてしまう。
今日こそは!
ヤッパリ緊急で仕事が入った。
どうやら願海様は、
『気持ちだけで結構。お前さんは自分の営みをしっかりと稼げ』と言うことらしい。
仕事が夕方近くに終わり、私の頭の中に、
『夕方だからこれから行くと寒いかな?』
という、【やらない理由】を考えた。
私は常日頃から、他者に『お誘いを受けて、やらない理由を考えた時は、ご縁じゃないのよ。やめときなさい』と言ってきた。
でもさ。願海様だよ?
佛頂尊勝陀羅尼の願海様だよ?
考えてみたら、私は暑がりだった。
凡人だか、暑がりだ。
『夕方に近づいているから寒いかな?』
えっ?
これは何かの思い込み何じゃないかと、思い直した(笑)
2月だって夜中、寅の刻詣りで山に登りながら暑がりだから最後半袖で、空鉢さん登る私が寒い?
ちょっと考えたら、寒いかも?なんて誤解だった事に気が付く。
だって、雨の日も風の日も、雪の日も、もしも自分の具合が悪くなっても、もっともっと寒い比叡山で、何をしたのか知らないけど、皆がビックリするような、すごい行をした人が、満行のお礼詣りで当時貴重な手水石を奉納してるのよ?
そんなすごい神様がいるところの、ましてやすごい人が奉納した手水石の汚れが気になっているのに、行かない選択は、無いですよね。
そりゃ、ちょっと風が強い位、『ちょっと鍛えてやろうかの』位のお遊びなんじゃないかと、水と掃除道具買ってお邪魔しました。
手水石の中の掃除が終わり、外側は風化が激しい。
慎重に優しく、石を削って仕舞わぬよう、丁寧に砂埃を払って、、、
『お写真下さい。はいチーズ』
これで、スッキリお詣りさせて頂ける。
少しは喜んでくださったか、メインのお稲荷様で佛頂尊勝陀羅尼をお唱えし始めると、ゴーゴーと吹き荒れていた、上州空っ風が、ピタリと無風。
あら不思議。
すごいね。
しばらく無風が続き、また風が吹き始めた。
お唱えが終わり、他の佛様や神様にご挨拶して帰る時、私の中に『無風だった辺りは何かの意味があるのかも?』
と思い、書き留めた。
上州、群馬はすごい所だよ。
みんなは【秘境グンマー】って言うけど、自然の宝庫で、素晴らしい処。
ここの神様は、きっと『負けない心』という最強の御利益を下さいますよ。
皆様も素直な心と、ちょっとヤンチャな少年のようなピュアな気持ちで、是非お詣り下さい。
やっと人間の形を保てるようになったよ。